医療法人の理事長が退任を求めていたが、後任がおらず退任ができなくなっていた事例
相談内容、事件の背景
医療法人の理事長に就任した医師から、就任後、医療法人の稼働実態がないことが判明したため、理事長を退任したいが、後任がおらず、辞任しても権利義務理事長としての地位が残ってしまう事から、どうすれば退任できるかについての相談を受けました。
前任の理事長兼社員の方が、重大な疾病に罹患し、大分前に診療所の運営から手を引いていましたが、社員の1名(調査の結果、その者が実際に社員に選任されていた事実はないことが判明したので、正確には社員ではなかった。)がそれを悪用し、議事録を作成し続け、法人格だけが譲渡され続けており、実際の社員や役員等がまったく不明になっていました。
依頼者の属性(業種、業態、従業員数等)
医療法人の理事長、歯科診療所、従業員数は0名。
事務所として行ったこと
実際に、医療法人の法人格の譲渡を行っていた1名の社員を見つけ出して連絡を取るべく調査やその社員の代理人を名乗る者に対し連絡を行いましたが、住所等には居住実態がなかったためその社員の実態が掴めず、その代理人を名乗る者からも事実上、何の回答も得られませんでした。最終的にその社員を名乗り、法人格譲渡を繰り返していた者と電話連絡は取れましたが、的を得た回答は得られませんでした。
その後、都道府県に対し、医療法人の設立認可取り消しを求めつつ、医療法人のその1名の社員により被害を受けたという方々と連絡を取ることに成功しました。そこから、医療法人の実際の社員が誰なのかを調査し、従前の真の社員の方の親族の方と連絡を取る事に成功しました。その後、医療法人の真の社員を確定の上、社員総会や理事会を開催させ、新社員と新役員を選任し直しました。
結果
依頼者である医師を理事長から退任させることに成功しました。
解決までの期間、コスト
約2年半。
解決に至ったポイント、留意点等
医療法人に稼働している診療所が存在せず、真の社員や役員が誰なのかも不明で、都道府県に提出されていた書類も真実とはかけ離れた内容となっていました。
関係者とされている者も実際は、医療法人の運営に関与しておらず、診療所も稼働していなかったのに、正式には社員ではないが社員を名乗るものが法人格を譲渡し続けているというのが実態でした。
解決のポイントは、従前から社員として記載されていた人物を調査の上確定し、そこから医療法人の実態と何故診療所が稼働しなくなったのか、真の社員は誰なのか等の原因を粘り強く関係者らを探すことによって突き止め、真の社員であった従前のオーナー一族の方々(幸い、2名が存命中だった。)を探し出したうえ、連絡を取り合うことまで持っていき、現状を説明したうえで、新たな社員と役員の選任まで行う事ができたことです。

