Marunouchi Soleil Law Office
Professional Corporation

弁護士による病院・クリニックのための法律相談

Consultation / Solution cases相談・解決事例

中規模医療法人における支配権変更の事例

事案の概要

医療法人を2つ運営していた医療機関で起きた事案です。
出資持分有の医療法人でしたが、株式会社が事業譲渡を持ちかけてきた案件でした。買い手側の会社は事業譲渡に関する明確なスキームは提示してきていませんでした。

この事案では出資持分の譲渡と買い手側の会社の従業員を数人医療法人側の社員として入社させ、医療法人側の社員を数人退社させるというスキームを使用しました。
このスキームを使用した理由は譲渡元の医療法人から経営体制や診療体制を大きく変更せずに承継を行いたいという希望があったためです。
出資持分譲渡と社員の入退社であれば、出資持分と社員構成のみを動かすことで足り、従業員の移転や医療機器等の譲渡が不要になりますし、両医療法人のオーナーに対する対価は、出資持分を評価した結果の金銭で足りるからです。

弁護士への依頼背景

持ちかけられた事業譲渡をするため、どのようなスキーム構築をすれば良いかの相談を依頼されました。
また、基本契約書などもしっかりとしたものを作成したい、というご要望があり、買手から送付された基本契約書案についてもチェックを行いました(スキーム自体を変えたので大幅に修正)。

解決までの流れ

基本契約書の作成・チェックから入り、最終合意まで担当しました。
本件解決には、医療法人のM&Aに関するスキーム構築、スケジュールの設定、出資持分の金銭的評価といった点を処理する必要がありました。

解決のポイント

医療法人の支配権の構造(社員構成、出資持分の有無等)がわかっていれば、何を変えればご相談者の希望通りのM&Aが実現するかがわかります。そのあたりを駆使してスキームを構築することが重要かと思います。

事案総評

デューデリジェンスによる医療法人の事業内容や財産価値の把握もとても重要ですが、支配権を移すときにはもともといた社員や理事への根回しや説明(M&A後、医療法人がどのような体制になり、運営されていくか、従前の社員・理事の立ち位置がどう変化するか等)がさらに重要になってきます。
売り手と買い手双方の関係性を良好に保つことははもちろん、もともといた社員を退社させる場合には社員総会の開催等の手続きが当然必要となってきますので、そういったことへの配慮も慎重に行うべきかと思います。

病院・クリニックの方からのご相談は初回無料で承っております。
また、医院に出向いての出張相談にも対応いたします。まずはお気軽にお問い合わせください。